すでに新聞報道もあり、ご存知かと思いますが、来年度より使用する藤沢市立中学校教科用図書の採択が行われ、社会科の歴史、公民では前回に引き続き育鵬社の教科書が採択されてしまいました。

4年前の採択結果から、私も藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会のメンバーとして、育鵬社の教科書の問題点を学習し、採択阻止に向けて多くの支援を広げてきました。またこの5月からは、 先生や保護者の意向を尊重してください、と要望するため、署名集めに取り組み、5万4千筆を超える署名が集まり、7月半ばには、署名とともに要望書を教育委員全員にあて、提出しました。そのような多くの市民の声は活かされない結果となりました。

今回の採択では、国語や地理では、現場の先生の意向が一番多い教科書に変わりましたが、歴史、公民は一番低い育鵬社が採択されるという結果で、大変な憤りを感じます。一方、特別支援学校、学級の教科書は、現場の子どもたちを一番良く知る先生が選んだ教科書、という理由で採択していました。矛盾を感じるのと同時に、むしろ教育委員は、障がいのある子どもたちのことを、理解しようともしていないのでは、とも思えました。

今回の採択で、私が一番納得がいかなかったのは、公民の採択です。小竹委員、関野委員長が育鵬社を推し、阪井委員、井上委員が育鵬社と東京書籍の2社が良いと評価し、吉田教育長は東京書籍を推しました。特に子どもたちが主体的な態度を養うことができ、多面的な学び方ができる教科書なので、東京書籍が良いと、吉田教育長は再度評価をしましたが、その発言を受け、育鵬社と東京書籍の2社が良いとした阪井委員、井上委員は何のコメントもなく、最終的には関野委員長が育鵬社が多いようですので、育鵬社で良いですか、で決まってしまいました。

また、先日、横須賀市に個人視察に行き、たまたま教育委員会が開かれており、終盤でしたが傍聴してきました。
最後に、次回の日程についての話となり、
8月5日、教科用図書採択が行われること。
傍聴者が多数になることが予想されるので、外れた人に音声だけが聞こえる部屋を用意すること。
教科書採択検討委員会の委員長に出席を求めること。
を教育委員長が提案し、認められていました。さらに、教育長が、これまでの経過を一番知る各教科の指導主事の出席を求め、同意されていました。

教育委員が現場の声を質問できるような体制をとっているのだと思いましたし、各自治体の採択のやり方は、違うので、他の自治体も傍聴をすることも大切だと感じました。

藤沢は合議制とのことでしたが、お互いに議論することもなく、もちろん、現場はどうだったかなど聞くこともなく、各委員が、(委員によっては、稚拙だと思えるような)持論を展開し、最終的には委員長が育鵬社という声が多いようですので、ということで採択ができてしまう、合議制は独裁的にもなり得るし、現行の制度に違和感あり! の教科書採択が今年も行われました。