会派の有志で、川西市の人権オンブズパーソン制度について、担当事務局の方と、主任相談員の方にお話を伺ってきました。


川西市の人権オンブズパーソン制度とは、子どもの人権救済のための「公的第三者機関」です。一人ひとりの子どものSOSを受けとめ、いじめや体罰、差別、不登校、虐待などで子どもが苦しむことのないよう、具体的な人権侵害から擁護・救済を図るためのもので、市の条例により199812月に創設が決まった全国で初めての制度です。



条例制定と第三者機関設置までの検討状況は、

1980年代以降、学校内外における「いじめ」等による子どもの自殺が全国的に頻発、大きな社会問題となり、川西市教育委員会では決して対岸の火事ではないという危機感から、1994年度末からいじめ等対策の検討・協議に取り組む。

19944月に日本が「子どもの権利条約」批准、この理念に基づき、子どもの人権をいかに確立するかにあると、取り組みの方向を確認。

1995年、市教委に「子どもの人権と教育 検討委員会」を設置。小学6年生・中学3年生を対象に「子どもの実態調査を実施」。その後、検討委員会から「子どもの人権と教育についての提言」を市教委に提出。

*1997年、市教委に「子どもの人権オンブズパーソン制度検討委員会」を設置。同委員会から制度のあり方について、市教委の付属機関としての設置案を答申。答申に基づき、オンブズパーソン制度例規等検討委員会(教育委員会事務局職員で構成)を設置、約1年をかけて条例案を策定。

1998年「川西市子どもの人権オンブズパーソン条例案」を市教委定例会で可決。市議会に上程、2日間にわたる慎重審議が行われ、オンブズパーソンを市教育委員会に置くのではなく、市長の付属機関とすることで可決。

制度の実効性を確保するためには、人権行政全般を包括し、対応可能な「市長部局」に置くことが妥当とされた。(現在:市民生活部人権推進室人権推進課内に設置)

19994月からオンブズパーソン制度開始



現在のオンブズパーソンの組織・人員体制

 ☆オンブズパーソン 3人(非常勤特別職、任期2年、最長36年)

   週1回の「研究協議」(ケース会議)を開催、必要に応じて直接相談に入る。「申立て」案件に 関する調査や調整活動、講座・講演等による啓発活動などを行う。

 ☆調査相談専門員 4人(市嘱託職員、週4日勤務)

   日常的かる継続的な活動に従事。子どもや親から相談を最初に受け、案件をオンブズパーソンに報告、相談を継続して行う。

制度の特徴

 公的第三者機関であり「市の機関」とは独立したもの。

 オンブズパーソンは法曹界関係者、大学、研究関係者などが担い、相談員も高い専門性や知識・経験 を有していて、専門性が高い。



何よりも、子どもに寄り添い、子どもの心情の代弁。オンブズは子育ち支援、つまり子ども支援である。



子どもの問題解決には子供を取り巻く人間関係の変容が必要であり、オンブズパーソンが子どもに関わりのあるおとなに、子どもの心情が伝わるよう「子どもの最善の利益」の実現のために、子どもにとってより良い人間関係が新たに作り直されていくよう「橋渡し役」を担う。

「対決」型、「告発」型の対応ではなく、子ども自身が立ち直り成長していく関係づくりを調整していく取り組みを重視している。



2013年次受けた相談案件は211案件、のべ件数は920件。子どもは来所相談が多く、おとなは電話相談が多い傾向にある。子どもの来所相談のための「オンブズくらぶ」が開設されている。



今後の課題

 *市教委・学校におけるオンブズパーソン制度への理解と協力関係の促進

 *「市の機関」以外の機関の事案にかかる調整・調査活動の円滑化(条例上の課題)

   条例上、市の機関に対して調査権、勧告、意見表明権があるが県立高校などへは調査の協力依頼に留まっている。

 *夜間及び休日の相談受付への対応

   現在夜間と土、日、祝日の相談は留守番電話、FAX、手紙対応のみ

 *制度の認知率の向上と利用の促進

2012年に、川西市では高校2年生が自らの命を絶つという痛ましい事件がありました。

オンブズパーソンとして二度と同じような悲劇が繰り返されないためにも、「市内県立高校生事案の背景状況をふまえた今後の取り組みに関する提言」を公表しています。

この公表された提言が記載されている「子どもオンブズ・レポート2013」をいただいてきました。

 

 

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