本日、八王子市の「障害のある人もない人も安心して暮らせる八王子づくり条例」について、伺ってきました。日本が差別解消法を制定したのは2013年ですが、八王子市はそれに先立ち、いわゆる、差別禁止法である「「障害のある人もない人も安心して暮らせる八王子づくり条例」を制定、20124月より施行しています。条例制定に至るまでの背景や、条例制定に向けた議論、条例の概要や特徴、また効果と課題について、担当課より説明をしていただきました。

 

八王子市は、障害者団体の活動が活発なまちで、2008年に「八王子障害者の条例を考える会」を発足し、勉強会を毎月開催。当事者、保護者、支援団体、作業所関係者が出席、また鉄道事業者(JR)、商工会議所なども参加して、大規模な勉強会を20回ほど開催し、参加者はのべ850人のぼったそうです。そして、当事者、支援者たちが自分たちでA4版、20ページ、第7章からなる条例の原案をつくり、201011月に条例制定を求める請願を議会に提出、同年1215日、市議会は全会派一致でこの請願を採択し条例化が決まったそうです。

 

その後、2011年に八王子自立支援協議会で条例検討部会を設置し、原案をもとに内容の検討を行い、当時の市長が20121月に退任することが決まっており、市長就任中の2011年中に条例制定をめざすという、タイトでハードなスケジュールの中、10回の会議を開催し検討を行い、9月にパブリックコメントを実施し、条例を整備し、12月議会に上程、全会一致で可決、制定がされたものです。

 

条例は理念条例ですが、第6条が大きな柱で、「何人も、障害者に対し、差別をしてはならない。」としています。社会的障壁の除去、合理的な配慮などは障害者権利条約に基づき、取り組んでいます。

 

15条では、差別に関する相談をすることができるとし、第17条では、対象事案がある時は市長に対して助言、あっせんを行うよう、申し立てができるとしています。また、第20条では市長が助言またはあっせんを行った場合、差別をしたと認められる者が正当な理由なく助言、あっせんに従わない場合は、従うように勧告をすることができる、としています。罰則の規定はありません。

条例制定後、相談事案はあったそうですが、助言、あっせんまでには至っていないとのこと。ただ、相談事案の中には、助言、あっせんが必要だと思われる事案もあったようですが、当事者がそこまで望まないということで、助言まで至らなかったそうです。


もちろん、申立てについて審議するための権利擁護に関する調整委員会が設置されています。調整員会は申立てがなくても、年に1、2回は会議を開催し、意見交換等を行っているとの説明がありました。

この条例の周知については、講演会の実施、あるいはパンフレットを作り配布により図っていますが、まだまだ条例の認知度が低い、ということが課題のようです。障害者計画のアンケートの中で、条例の認知度調査をしていくことを検討しているそうです。


条例や制度を制定した後、いかに市民に周知をしていくのか、知ってもらうのか、どの自治体も共通の課題だと思います。

 

障害者団体の活動が活発であったことや、それを支える市民、行政の協力があってこその成果だと思います。

                   hatioji
 

八王子市庁舎入り口近くの植え込みに
「人権の共存」-互いに相手の立場を考えて豊かな人間関係をつくろう-の文字。