2月15日、町田市が課別・事業別行政評価シートによる事業マネジメントを行っている新公会計制度についての視察を行いました。
制度導入の経緯について
町田市は、平成13年度決算より、資産や負債、コストの情報を明らかにするため、貸借対照表、行政コスト計算書を作成、平成18年度の地方行革新指針等による新公会計制度導入の気運の高まりを受け、平成20年11月、副市長をトップに、全庁横断的な「町田市新公会計制度導入検討委員会」を設置し、町田市の新公会計制度導入に向けた検討を開始。
平成22年3月の中間報告において、町田市では平成24年4月より日々の会計処理に複式簿記の導入を決定。
導入した制度は、日々仕訳の東京都方式モデルで、個別事業の財務状況から、仕事に対する成果がわかること、また一部の職員が関わるのではなく、すべての職員が携わることができるようにし問題意識を持ってもらうことができる効果があります。
町田市が作成した課別・事業別行政評価シートは、大変な優れものです。
記載内容は、組織概要、前年度末の「成果および財務の分析」を踏まえた事業の課題、事業の成果、財務情報、財務構造分析、総括である、財務情報には、①行政コスト計算書②行政コスト計算書の特徴事項③単位あたりコスト分析④貸借対照表⑤貸借対照表の特徴的事項⑥キャッシュ・フロー収支差額集計表が記載されています。
この課別・事業別行政評価シートから何がわかるのか、についてですが、
Ⅰ事業に関わる人員と人件費、成果の関係
事業に関わる人員の人件費の推移とあわせて、効率的な事業が執行されているかなど、見ることができきる。(物件費に入っている人件費も換算されています)
Ⅱ事業の成果と行政コストの関係
成果とコストが見合っているのかどうか。
Ⅲ事業の成果と資産の状況
資産が事業に活用されているのか、成果の実現のため資産を増やすべきか、減らすべきか、
資産の老朽化の状況かどうか。
Ⅳ前年度の課題と当年度の取り組み結果
前年度の課題解決の取り組みにより、どのように反映されているのか。
Ⅴ成果と財務の分析と課題設定について
費用対効果の分析はなされているのか、成果と財務情報を交えて分析ができているのか。
Ⅵ組織や施設間での比較分析
勘定科目別と施設別の比較分析表を作成し、どういったところにコストをかけたのかということや施設の状況がわかる。
財務情報の中で、単位あたりコスト分析では、事業の効率性の分析、事業のボリュームを把握するため、単位あたりのコストを算出しています。たとえば美術館の開館1日あたりのコストがわかるようになっています。あるいは平米当たりのコスト、職員一人当たりのコストなど、事業によってそれぞれ単位あたりのコスト分析をすることで、大変わかりやすいシートとなっています。
この課別・事業別行政評価シートによる決算の委員会での質問は9割をこえるそうです。一方で質問時間は減っているとのこと。
また、市民に向けた評価シートの見方のパンフレットや評価シートのダイジェスト版を作成しています。
藤沢市も公会計制度に向けて動きます。藤沢市はどのような取り組みになるのか、注目をしたいと思います。